2017年7月22日土曜日

ハンドスピナーの歴史

最近と言ってももう話題になって久しいですが、ハンドスピナーなるおもちゃが人気ですね。

どういった歴史があるのか気になったので、調査がてらにまとめておきたいと思います。

実は、ハンドスピナーの原型はすでに1993年に出来上がっていたのです。

アメリカ、フロリダ州オーランドのCatherine Hettinger氏が考案者と言われています。2017年時点で御年63歳です。
"言われている"と書いた理由は、考案者に諸説あるためで、後述します。

彼女がこのハンドスピナー(米国ではFidget spinner[フィジェットスピナー]という名前)を考案したのが1993年で、39歳の時です。
彼女は1990年に重症筋無力症という、力が入らなくなってしまう病気を患ってしまいました。そんな中、大事な娘と遊ぶことはできないかと試行錯誤している中で生まれてきた物であるとガーディアン紙では語っています。
なお、国内の多くの記事で、"重症筋無力症を患っていた娘のため"と間違われていますが、母であるCatherine氏が患っています。
また、ADHDや発達障害の改善のために開発された器具という話も誤りです。

彼女は、1993年に"spinning toy"(回転おもちゃ)という名前で特許を出願し、1997年に晴れて特許が認定されました。
実際に自分でハンドスピナーの試作を製造し、地元フロリダのショーへ持ち込んだところ、結構な人気を博したそうです。
そして、その勢いに乗って、Hasbroという米国のおもちゃメーカーに売り込みました。日本では聞きなれないかもしれませんが、人生ゲーム、モノポリー、ジェンガ、スターウォーズだったり、マーベルだったりのおもちゃを展開している超大手です。

しかし、Hasbroには採用してもらうことができませんでした。
結局、うまくビジネスパートナーを見つけることができず、$400の更新費用を支払うことが困難となり、2005年にこの特許を失効させてしまいました。特許は維持するだけでもお金はかかりますからね。
こうして、その時点では日の目を見ることがなかったハンドスピナーですが、
その後、時を経ておもちゃメーカーから発売され、2016年に突如として米国で大ヒットするわけです。

さて、Wikipediaには彼女が考案者であると書かれていますが、
実は、今年になり本当に彼女が考案者なのかという指摘をBloombergがしています。
なぜかと言うと、彼女が出した特許と、現在のハンドスピナーの構造にはあまり共通性が見られないからです。
本人も"原型だと思うか?"という質問に対し、自分では分からないので弁理士に聞いてくれと回答しています。
Bloombergは弁理士に検証を依頼した結果、彼女の発明が原型だと主張するのは難しいとしています。
彼女を考案者とした他紙に対する批判なのか、おもちゃメーカーサイドのポジションを取っているのか背景は分かりませんが、そのように結論づけられています。

結局、ハンドスピナーの考案者には諸説あり、Scott McCoskery氏が2014年に発明したTorqbarというものが、現在のハンドスピナーの原型であると見る向きもあります。

とりあえず、今回は歴史その1ということで、

他の説については、また記事を書きたいと思います。

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